無事に新しいサイトでブログを立ち上げることができました。
事前の情報収集で、大変と言っても無料ブログに毛が生えた程度だろうと高をくくっていたのですが、正直ここまで大変とは思っていなくて、「こんなに大変なら今まで通りでも別に…」という考えも頭をよぎりましたが、なんとかここまでこぎつけることができました。
まだまだ画像の挿入など、わからない部分も多いですが、とりあえずいきます。
今回の記事も、N店長、N先生のアドバイスをたくさんいただいて作成しています。
普段視力測定というか、その前に問診を必ず行うわけですが、そのときに『パソコンを一日中使っている』『スマートフォンを何時間も見ている』というお客様によく出会いますよね。
かく言う私も調べ物をしたり、動画を見たりしていると止まらなくなったりするわけです。
これは人間の眼にとって、とても異常な状態です。
かと言って自分のことは棚に上げて『お客様、パソコンやすスマホは目に良くないですから、しばらく使わないようにしてください』と言ったとしても『そうですか。確かに目が疲れてひどいんですよ。しばらく使わないようにします』とはならないですよね。
こうした問題の根本的な解決は非常に難しいワケですが、お客様の目の状態と悩みに寄り添った対応は求められていると思います。
このときに眼鏡屋として何を考え、どのように対応すると良いのかを考えてみました。
先日新聞でもスマホの長時間使用による「急性内斜視」が最近、子どもや若者の間で多発している恐れがあるとの記事を見かけました。
「急性内斜視」の症状としては、今までは何の症状も無かったのに、あるときから急に内側に目が寄るようになるというものです。
物を見たときに本来は対象となる一つのものを見ていても二重に見えるという症状が出ることがあります。
特に一日にトータルで10時間以上スマホの画面を見ることがあるという人は、そのリスクが大きくなるのだそうです。
10時間というと相当ですが…恐いですね。
その予防などについてはネットで調べるといろいろ出てきますので、見てみてください。
パソコンやスマホを使用しているときというのは近方視ですので、調節はもちろん行っていますが、同時に輻輳も行っています。
このとき特に気をつけなくてはいけない輻輳が、調節性輻輳です。
これに気をつけるために行っている予備検査が遠見と近見のカバーテストというわけです。
ここで『近見反応』に触れておきますと、「ピント合わせ(調節)」を行うと、「寄り眼(輻輳)」と「縮瞳(瞳孔が小さくなる)」が起きます。(逆に寄り眼もピント合わせを誘発します。)これらは神経的につながっていて、連動する仕組みになっています。
この3つがセットになっているということです。そしてこれには個人差があります。(調節と輻輳を単独で行うことも、ある程度は可能です)ですので、視力測定を行う人は度数合わせだけを行っているつもりでも、イヤでも輻輳にも同時に関わっているのです。
普段視力測定を行っていて、『遠くは大丈夫なんだけど、近くが二重に見える』というお客様に出会うことはありませんか?
この言葉を単純に聞いてしまうと、「近用眼鏡を作りましょうか」とか「加入が足りないのかな」とか考える(もちろん間違ってはいない)わけですが、これだけでは『近見反応』の「ピント合わせ(調節)」だけにしか着目していないことになります。
もちろんこの度数合わせによって問題が解決できるケースも多いとは思いますが、お客様の抱えている悩みの原因がそれだけではないということを測定者は知っていなくてはなりません。
例えば輻輳不全型近見外斜視の場合は、ピントは合わせられても、その調節に対して寄り目が足りないために近くが二重に見えたり、眼精疲労が出てしまう。
調節性内斜視の場合は、ピントは合わせられてもその調節に対して寄り目が過剰なために(輻輳不全型近見外斜視の場合とは寄り目の仕方は違いますが)近くが二重に見えたり、眼精疲労が出てしまうわけです。
特に遠視の場合は正視や近視よりも調節が入りやすいために、近見反応で「寄り目」も過剰になってしまうことがありますので、プリズムを処方する際にも遠見で良かったとしても近見ではどうかのチェックも必要です。
そして輻輳過剰の場合は調節が少なくて済み、過剰な寄り目をしなくても済むマルチフォーカルが効果的なこともあります。
皆さんはステレオ写真や3D立体映画を見たときに「めまいがする」「目が疲れた」「気持ち悪くなる」という経験があるのではないでしょうか。
これはなぜ気持ち悪くなるかというと、輻輳を我慢して調節を強いられたり、調節を我慢して輻輳を強いられたりするためです。ある意味ではお客様の不調の訴えを体験できたとも言えるでしょう。
お客様のお話にしっかりと耳を傾けていると、意外な知識にたどり着いたりすることもあります。