前回は《乱視の違和感が強いランキング~》でした。
本日はさらにもう一歩踏み込んだ内容をお話します。

乱視の違和感が強いランキング上位の状態の場合、お客様に仮枠で掛けてもらって「大丈夫、違和感も無い。足元の距離感も問題無い。ハッキリ見えてバッチリだ!」と言ってもらえるならそれで良いのですが、そうではない場合違和感に耐えられるところまで乱視度数を弱めたりすることになります。

人間の眼は加齢とともに遠視化、倒乱視化することが知られていますが、倒乱視化するからといってKBからあまりにも乱視軸を変えすぎてしまうのも問題でしょう。

斜乱視は45°、135°に近いほど違和感は大きいと言われています。

そんなときに眼科でよく行われているのが『違和感を軽減するためにできるだけ乱視軸を垂直、水平方向へそろえる』です。

でも、これでどのくらいならそろえちゃって大丈夫なのかな、とか、乱視軸を変えたらどうなるんだろう、とか思いませんか?私はずっと思ってました。

ここで度数決定の手掛かりになるデータをもう一つ。

《乱視軸を変えたときの乱視矯正効果の低下~》
軸が5°ズレると17%下がります。10°ズレると34%、15°ズレると52%、20°で68%、25°で84%、30°ズレると100%、つまり30°以上ズレてしまうと矯正効果は全く無くなり、逆に見え方の邪魔しかしなくなります。

乱視矯正度数が強いと眼鏡視力への影響も大きくなります。
ですので、1.00Dまでの乱視軸は15°、1.50Dまでの乱視軸は10°、2.00Dまでの乱視軸は5°くらいの動かし方が目安になります。これは先日のK部長のセミナーでも教えていただきました。

これを初めて知ったときの私は、後悔と自責の念におののいたのでした。