新人Sさんは、入社数カ月で今は遠近両用の度数決定なども行ってくれています。
そのときに、加入度数の決定をどうするか、という話になりました。
まあSさん、ほとんどできてるんですけどね。

そのためには遠見5mに対する、測定で得られた遠用度数にプラスを加えれば良いワケです。
ですから、遠視や正視や弱度近視の人は、結果として近用眼鏡の度数はプラスとなりますが、中~強度近視の人なら、マイナスレンズで近用眼鏡を作ることになります。
決して『老眼鏡は全てプラスレンズというワケではありません。』

加入を求めるためには、まず大体の加入度を入れてみます。
近方専用でも、遠近両用でも、基本の遠用度数に年齢別の加入度の目安の値をまず入れてみます。

両眼とも同じ度数を入れます。
たまに左右で加入度数の違う処方箋に出会うことがありますが、『左右眼の調節量は、別々に分けてコントロールできない』というのがあります。
ですので、左右で加入度数が違うというのは、白内障であったり、調節以外の何かしらの理由があると考えられます。
なので、「近くを見たときに左右で見え方が違う」というお客様がいらっしゃったときは、優しく測定してあげてください。

あとは、遠用度数の決定の際に利き目を優先し過ぎると「遠くは良いけど近くは逆に利き目じゃない方がよく見える」となってしまうことがありますので、注意が必要です。

以下が『完全矯正値に対する加入度の目安』
(30cmの近業距離とします)です。

40~45才 +1.00D
45~50才 +1.50D
50~55才 +2.00D
55~60才 +2.50D
60才~  +3.00D

「完全矯正値に対する」というところが重要かと思います。
ここをしっかりしておかないと、見た目の加入は強くなくとも、遠用度数を弱めに合わせていたとしたら、結果的に加入が「そんなに必要ないのでは」みたいに強くなってしまうことがあります。

大体このくらいかなと思ったところでお客様に前後に動かしていただきます。
近業距離が近用の明視域の大体中央くらいなら問題ありませんが、あんまり近点や遠点に近いと、見えるとはいえ疲れやすかったりしますので、加減します。

この辺りは先日のN店長の明視域の動画でも非常に丁寧に解説されていますので、ぜひもう一度見てみてください。

近用視力表のクロスターゲット(十字ターゲット)を使用しても、もちろん測定できます。
たまにお客様から「緑に見える」とか言われることがありますが、色収差のためにこうなるので、気にすることはありません。

KBが遠近で、近くが見えにくいのであれば、その加入度よりも増やすのを0.50Dくらいまでに抑えておいた方がお客様は慣れやすいです。

著者

bruno

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