前回の投稿「コートの構成」(水やけについて)で、「ハードコートの位置が気になる」という話になりました。
復習しましょう。
レンズコートの構成は、以下のようになっています。
【コートの構成】
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撥水コート(防汚コート)
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反射防止コート
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ハードコート
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レンズ基材
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私としては、ハードコートというのは傷からレンズを守るためにあるワケですから、当たり前に一番上にあるんじゃないかなと思っていたんですが、そうじゃないんですね。
私は確認してみました。
「ハードコートというのはキズからレンズを守るためにあるワケですから、一番上になくては傷がついてしまいませんか?」
すると、回答は以下のようなものでした。
「仮にハードコートが一番上にあった場合、無論撥水効果は得られなくなってしまいますし、ハードコート自体が反射するので、反射防止コートの働きも得られなくなってしまうため、このような構成となっています」ということでした。
おお…。なるほど…。
レンズ基材に反射防止コートが素材の関係でつきにくいため、この問題を解決するためにもこの位置にハードコートがあるのには意味があるということでした。
私はさらに「それはそうかもしれませんが、撥水コートと反射防止コートがキズから守られていなかったらお客様からすれば「傷がついた」とはなってしまわないんでしょうか」という言葉が喉まで出かかりましたが、私もいい大人です。ここまで親切に教えてくれたメーカーさんに対し、何の遠慮も無く追及することはできず、「大変勉強になりました。ありがとうございました。」と、話を終えました。
もしも、この疑問に対しての答えをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。
私たちが毎日触れているレンズですが、様々な工夫と技術が詰まっているんですね。