先日、雲霧法(遠視度数の決定)の記事を自店の新人Sさんに見てもらって、「わからないところは無かったですか?」ときいてみたところ、
「ちょっと専門用語がわからなかったです」(確かに教えていないですね…)ということでしたので、出てきた専門用語について説明を加えたいと思います。

遠視はその度数と調節力の関係によって三種類に分類できます。

①絶対遠視:調節力が全く無いか、あっても遠視の度数よりも小さくて、
      眼前に明視域がありません。
      なので、遠方も近方も良好な視力が出ません。
      これは眼鏡で矯正してあげなくてはハッキリものを見ることはできません。
      「若いときは良く見えていたのに、最近遠くが見えにくくなってきた」
      というのは、もともと遠視だったのを調節力で打ち消せていた
      (つまり随意遠視)のが、打ち消せなくなり、
      絶対遠視になってきているということです。

②相対遠視:ある程度の遠視がありますが、それを補うだけの調節力もあるので、
      遠方はハッキリみることができます。 
      しかし、近方を見ようとすると遠視の度数分だけ余分に調節を必要とし、
      それに伴って輻輳も強く働いて、
      内斜位や内斜視状態となってしまう遠視を相対遠視といいます。
      5mの裸眼視力測定だけでは発見できません。

③随意遠視:遠視の度数よりも調節力の方がずっと大きくて、
      老視が無ければ遠方も近方も良好な視力が出ますので、
      正確な屈折検査でないと遠視だとわかりませんし、
      自覚症状が無く本人も知らないことが多いです。
      30歳代までの弱度の遠視は、ほとんどが随意遠視です。

あとは見方を変えると軸性遠視とか屈折性遠視とか顕性遠視とか潜伏遠視とかありますが、先日の「雲霧法(遠視の度数決定)」の記事と直接関係があるのは上記の3つです。