最初に申し上げておきますが、今回は特にN店長、N先生のご協力を多分にいただいております。

さて、皆さんは遠視の測定をどのように行っていますか?

私は恥ずかしながら遠視のときの雲霧法を最近まで自信をもってやれていなかったんですよね。

念のためご説明しておきますと雲霧法というのは、特に遠視の度数決定時に重要になるもので、測定時に調節が入ってしまうと正しい度数決定ができませんので、調節をできるだけ除去するために行うものです。

私のこれまでの雲霧法の知識としては、

『雲霧法に用いるプラスレンズは、レフ値より1.5D~2.00Dくらい強めのプラスレンズを入れ、視力でいうと遠方視力が0.2前後になるものが良いとされています。それによって被検眼を人工的な近視状態にすれば、少なくとも遠方視において調節発生の余地は無くなりますから調節が入り込みにくくなります』

だったのですが(間違ってはいないとは思います(複数の書籍で確認していますが、これもさまざまな記述があります))、これでやっていても調節を除去できている感覚が無いんですよね。

もしもこの方法で本当に調節を除去できていて、潜在遠視を検出できているなら、その検出できた潜在遠視分の度数と、レフでもともと検出できている遠視分を合わせた度数のところで「一番ハッキリ見えた」と言ってもらえなくてはいけないのに、私の経験ではむしろレフ値よりも弱い度数で「一番ハッキリ見えた」と言われることばかりでしたし、私なりに「そんなことはない、できるだけ調節させないようにして眼精疲労を軽減するためにはプラス度数をできる限り入れてあげる方が良いのだ」とレフ値よりも強い度数で度数決定を行おうとした場合は、「ボヤける」と言われることがほとんどだったんですね。

そこで、N店長とN先生に相談してみました。

すると…やはり最高ですよ。このお二人は。

N先生
「眼鏡店で行う雲霧は過矯正を避けるのが目的なので、0.75D程度の雲霧をかけて視力0.5くらいから徐々に球面度数をマイナス寄りにしながら最高視力の最もプラス寄りの度数を検出するのが現実的かと思います。教科書的には0.75Dだと少ないことになりますが、測定の手順として片眼最高視力と両眼最高視力の時点で2回雲霧しますので、0.75Dでも十分かと思います」

「「最高視力の出る最もプラス寄りにすべき。これよりマイナス寄りでは調節により自己屈折補正をしているため良くない」という書籍がありますが、眼鏡店でこれを鵜呑みにして処方すると見え方保証になりますよね。11月のセミナーでK部長もおっしゃっていましたが、潜在遠視や相対遠視の方は自己屈折補正をしながら見るのが当たり前になっているので、そこに遠視を完全矯正して無調節で見るような処方をしても、まず馴染みません。歳をとって絶対遠視になるまでは、遠視は弱矯正にしなければなりません。医療目的の処方と、快適性を重視した眼鏡店の処方の違うところです」

N店長
「雲霧のかけ方は確かに書籍によって違うことがありますね。書籍によって違う理由としては「前提条件が書籍によって違うから」ではないでしょうか。年齢によって雲霧の意味も目的も違うということです」

「「小児遠視」と「成人の遠視」でも違いますし、絶対遠視/相対遠視/随意遠視でも違います。同じ遠視とはいえ出方が違えば雲霧量も検査法も変わります」

ということです。これで遠視も自信をもって測定できますね!
N先生、N店長、ありがとうございます!

著者

bruno

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